子どもの矯正相談はいつから?生えかわりの流れと相談の目安|鴻巣市の小児歯科
乳歯から永久歯への生えかわりは、およそ7年かけて進む長い道のりです。その流れと個人差、そして「そろそろ相談したほうがいいのかな」と迷ったときの目安を、やさしく整理してお伝えします。
「そろそろ矯正の相談に行ったほうがいいのでしょうか」——鴻巣市のはぎわら歯科こども歯科クリニックでも、よくいただくご相談です。生えかわりの流れと、相談を考えるときの目安を整理してお伝えします。
生えかわりは約7年かけて進みます
生えかわりは、ある日いっせいに起きるものではありません。日本小児歯科学会が全国のおよそ3万人(30,825人)を対象に行った調査(2019年報告)では、次のように報告されています。
- 最初に生えかわるのは下の前歯(下顎中切歯)で、平均は男子6歳3か月・女子6歳0か月
- 最後に生えるのは上の第二大臼歯で、平均は男子13歳3か月・女子13歳0か月
つまり生えかわりの全期間はおよそ7年(男女とも6.9〜7.0年)。小学校に入るころに始まり、中学生になるころにようやく終わる、長い道のりです。
生えかわりは、7年がかりの工事のようなものです。とちゅうで足場が組まれ、道が狭くなることもあります。歯並びが少し凸凹に見えても、それが工事中の風景であることは少なくありません。
また同じ調査では、およそ30年前の調査と比べて小臼歯や大臼歯の生える時期が遅くなっており、乳歯と永久歯が混ざる時期(混合歯列期)が長くなっていることも報告されています。
「下は前歯から、上は6歳臼歯から」が多数派
生えかわりというと、乳歯が抜けた場所に永久歯が出てくる姿を思い浮かべます。ただ6歳臼歯(第一大臼歯)は違い、抜けた乳歯のあとではなく乳歯の列のいちばん奥に新しく増える歯です。
同じ調査では、下の前歯と6歳臼歯のどちらが先に生えるかも報告されています。
- 下あご:前歯(中切歯)が先に生える子が多数派(男子70.8%・女子63.3%)
- 上あご:6歳臼歯が先に生える子が多数派(男子77.2%・女子73.4%)
「下の前歯がぐらぐらしてきたころに、上の奥に見なれない歯が生えてきた」——これが同時に起きても自然な流れです。あわてなくて大丈夫です。
なお生えかわり期は歯の高さがそろわず、歯ブラシが当たりにくくなります。おうちでのケアは仕上げ磨きのコラムもご覧ください。
早い子・遅い子の差はどれくらい?
平均はあくまで「真ん中」です。同じ調査では、下の前歯の生えかわりは平均±1標準偏差でおよそ5歳半〜7歳にあたり、実際には4歳台から8歳台まで幅広くばらついていたと報告されています。
また女の子のほうが早い傾向があるとされ、差がいちばん大きいのは犬歯です。上あごの犬歯では約8.5か月、およそ1年近い差が見られたと報告されています。
同じ学年でも進み方には年単位の差があり、お友達やきょうだいと比べる必要はありません。ただし「遅いから、そのままでよい」わけでもありません。あごの成長を利用できる時期には限りがあるとされています。進んでいるかを、ときどき見てもらっておくと安心です。
生えかわり期に気づきやすいサイン
「様子を見ていてよいこと」と「一度見せていただきたいこと」を整理します。
下の前歯の内側から永久歯が生えてきた(二重歯列)
乳歯が残ったまま、その内側から永久歯が顔を出してくる状態です。下の前歯では比較的よく見られるとされ、乳歯がぐらついていれば自然に抜けて位置が整っていくことも多いとされています。乳歯がまったく動かない、痛みや腫れがあるときは、一度ご確認ください。
乳歯が抜けない・永久歯がなかなか生えてこない
多くはタイミングの問題ですが、生まれつき永久歯の数が足りない場合もあります。日本小児歯科学会の疫学調査では、親知らずを除く永久歯の先天性欠如(もともと歯の数が足りない状態)はおよそ10人に1人(10.09%)と報告されています。多いのは下の第二小臼歯と下の側切歯で、レントゲンで確認できます。
左右で差が大きい
上の前歯で片側だけ生えてこない、左右で時期が大きくずれているときは注意が必要とされています。反対がわが生えているのに片方だけ出てこないときは、一度ご相談ください。
前歯が反対に噛んでいる(反対咬合・受け口)
軽く噛み合わせたときに、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態です。これは就学前であっても、一度見せていただきたい例外にあたります。くわしくは次の章でご説明します。
ご家庭で糸を使って引っぱるといった方法は、痛みや出血につながることがあります。動きの小さい歯は、自然に抜けるのを待つのが基本です。
気になる点はお口の育ちセルフチェックでもご確認いただけます。
就学前でもご相談いただきたい例外——反対咬合(受け口)
当院の目安は6〜8歳ごろですが、それより前でも一度見せていただきたい例外があります。それが反対咬合(受け口)です。軽く噛み合わせたときに、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態をいいます。
- 日本人のお子さんを追跡した報告では、およそ3分の2は自然には改善しなかったとされています
- 上あごの成長は10〜12歳ごろにほぼ終わるとされ、あごの成長を利用できる期間には限りがあります
- 一方で、早く始めれば必ず解決する、というものでもありません
ですから、早く「治す」ためではなく、早く「見きわめる」ためにご相談いただきたいのです。3歳児健診で指摘されたときの考え方や、根拠となる調査については子どもの受け口(反対咬合)のコラムにくわしくまとめました。
学校歯科健診の「歯列・咬合」は確定診断ではありません
「学校の健診で、歯列・咬合に印がついていました」というご相談もよくあります。
学校の歯科健診は学校保健安全法施行規則で検査項目が定められており、むし歯や歯周疾患とならんで不正咬合(歯列・咬合)も検査の対象になっています。
ただし日本学校歯科医会は、学校健診は詳細な検査による確定診断を行うものではなく、「異常なし」「定期的観察が必要」「専門医による診断が必要」にふるい分ける(スクリーニング)ことが目的だとしています。
ですから、印がついていてもすぐに矯正が必要という意味ではありません。反対に、印がなければ絶対に大丈夫、でもありません。あらためて見てもらうきっかけと受け取っていただければと思います。
相談=治療開始ではありません
正直にお伝えすると、「何歳から相談する」と公的に定められた基準はありません。お口の状態や成長の進み方によって、適したタイミングは変わります。
そのうえで、あごの成長を利用できる時期には限りがあるとされています。そこで当院では6〜8歳ごろをひとつの目安としています(これは当院の考え方です)。詳しくは矯正を始める時期をご覧ください。
ただし反対咬合(受け口)だけは例外で、就学前でも気づいた時点でご相談いただくことをおすすめしています。理由は前の章にまとめました。
- いま、どの成長段階にいるのか
- いま関わったほうがよいのか、もう少し待つのか
- 次に、いつごろ見せていただくとよいか
相談に行っても、その場で治療が始まるわけではありません。「いまは経過観察でよいでしょう」という結論も、ごく普通にあります。
相談のあとの流れは矯正相談の流れに、費用の考え方は料金の目安にまとめています。はじめての受診にご不安のある方ははじめての方へもご覧ください。
まとめます。
- 生えかわりは、約7年かけて進む長い「工事期間」です
- 下は前歯から、上は6歳臼歯から。6歳臼歯は奥に新しく増える歯です
- 生える時期には年単位の個人差があり、まわりと比べる必要はありません
- 二重歯列は下の前歯では比較的よく見られます
- 学校健診の「歯列・咬合」はふるい分けで、確定診断ではありません
- 反対咬合(受け口)は例外。あごの成長が使える期間は限られるため、就学前でも一度ご相談ください
- 相談する年齢に公的な基準はなく、当院は6〜8歳ごろを目安に。経過観察という結論もあります
歯並びの成り立ちは歯並びが悪くなる原因のコラムでもご紹介しています。「様子を見ていていいのかな」と迷われたときが、ご相談のタイミングです。一緒に見ていきましょう。
よくあるご質問
子どもの矯正相談は、何歳から行けばよいですか?
「何歳から」と公的に定められた基準はありません。お口の状態や成長の進み方によって、適したタイミングは変わります。そのうえで、あごの成長を利用できる時期には限りがあるとされているため、当院では6〜8歳ごろをひとつの目安としてご案内しています。下の前歯が生えかわり、6歳臼歯が生えてくるころで、あごの育ち方が見えはじめる時期にあたります。もちろん、それより早くても遅くてもご相談いただけます。当院の矯正相談は無料です。詳しくは矯正を始める時期をご覧ください。
相談に行くと、必ず矯正治療を始めることになりますか?
そのようなことはありません。相談で分かるのは、いまどの成長段階にいるのか、いま関わったほうがよいのか、もう少し待つほうがよいのか、という見通しです。「いまは経過観察でよいでしょう」という結論も、ごく普通にあります。その場合は、次にいつごろ見せていただくとよいかをお伝えしています。お子さまの様子を見ながら、ご家庭のペースで考えていただいて構いません。はじめての受診にご不安がある方ははじめての方へもご覧ください。
下の前歯の内側から永久歯が生えてきました。乳歯を抜いたほうがいいですか?
乳歯が残ったまま内側から永久歯が出てくる状態(二重歯列)は、下の前歯では比較的よく見られるとされています。乳歯がぐらついていれば自然に抜けて、そのあと位置が整っていくことも多いとされていますので、すぐに抜かなければならないとはかぎりません。ただし、乳歯がまったく動かない、痛みや腫れがあるといった場合は、一度ご確認いただくと安心です。なお、ご家庭で糸を使って引っぱるなど自己判断で抜こうとすることは、痛みや出血、歯ぐきの傷につながることがありますのでお控えください。判断に迷うときは、診療の際にお口の中を見ながらご説明します。
子どもの矯正費用は医療費控除の対象になりますか?
国税庁は、「発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正」など、年齢や矯正の目的からみて必要と認められる場合は医療費控除の対象になるとしています。一方で、容ぼうを美しくすることを目的とした歯列矯正は対象にならないとされています。対象になるかどうかは個々の状況によって判断が異なりますので、最終的には国税庁のウェブサイトをご確認いただくか、お住まいの地域の税務署にお問い合わせください。当院では診療内容についてのご説明や領収書の発行で、できるかぎりお手伝いします。
本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の治療の効果や結果を保証するものではありません。症状やお口の状態には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断せず歯科医院にご相談ください。
お子さまのお口のこと、気軽にご相談ください
鴻巣市のはぎわら歯科こども歯科クリニックでは、小児歯科・予防矯正・口腔育成を通じて、お子さまの健やかな成長をサポートしています。まずはお口の状態をチェックしてみませんか。


