子どものいびきは何科?耳鼻咽喉科のあとに知りたい歯科の視点
「毎晩いびきをかいている」「静かに眠れていない気がする」。お子さまの寝顔を見ながら、そんな心配を感じたことはありませんか。まずどこに相談すればよいのか、そして歯科から見えるもうひとつの視点を、やさしくご紹介します。
お子さまのいびきについて調べると、耳鼻咽喉科・小児科・睡眠外来と情報がばらばらで、かえって迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。この記事では、まずどこに相談すればよいかをはっきりお伝えしたうえで、あまり語られることのない「あごとお口の育ち」という歯科の視点をご紹介します。
子どものいびきは何科?まずは耳鼻咽喉科へ
結論からお伝えします。お子さまのいびきが毎晩のように続く、眠っているときに息が止まっているように見える——そんなときは、はじめに耳鼻咽喉科へご相談ください。かかりつけの小児科がある場合は、そちらで相談してから紹介してもらう流れでも問題ありません。
というのも、子どものいびきの背景としてよく挙げられるのが、のどの奥にある扁桃(へんとう)やアデノイドが大きい状態、そしてアレルギー性鼻炎などによる鼻づまりだからです。これらは鼻とのどを専門とする耳鼻咽喉科で診ていただくのが自然な流れです。歯科が最初の窓口になることは、基本的にはありません。
まずは耳鼻咽喉科(またはかかりつけの小児科)でご相談を。そのうえで、鼻やのどの治療をしてもいびきや口呼吸が残るときには、歯科の視点もあわせてご検討ください。
そのうえで、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。いびきには、鼻やのどだけでなくあごとお口の育ち方も関わっていると考えられている、という点です。詳しくはお子さまのいびき・睡眠時無呼吸のページでもご紹介しています。
相談の目安になるお子さまの様子
次のような様子が続くときは、一度専門の医療機関で相談してみると安心です。あくまで目安であり、当てはまる数で状態が決まるものではありません。
睡眠中の様子
- 毎晩のようにいびきをかいている
- 息が止まっているように見える時間がある
- 口を開けたまま眠っている
- 寝汗が多い、寝相が激しい、何度も目を覚ます
- あごを上げるような、苦しそうな姿勢で眠っている
日中の様子
- 朝すっきり起きられない、日中に眠そうにしている
- ぼんやりしている、落ち着きがないように見える
- 日中も口が開いていることが多い
- 鼻がつまりやすく、鼻をすする
成長・お口の様子
- 身長や体重の伸びがゆるやかで気になる
- 歯並びのがたつきや、前歯の噛み合わせが気になる
- 上あごの幅がせまく、歯の並ぶすき間が少なそうに見える
気になるサインの整理には、お口の育ちセルフチェックもご利用いただけます。年齢別に、1分ほどで確認できます。
いびきの背景は「鼻・のど」と「あご・お口の育ち」
お子さまのいびきの背景は、大きく2つの系統に分けて考えると整理しやすくなります。
①鼻・のどに関わるもの(耳鼻咽喉科)
- 扁桃肥大(のどの奥にある扁桃が大きい状態)
- アデノイド肥大(鼻の奥のリンパ組織が大きい状態)
- アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などによる鼻づまり
②あご・お口の育ちに関わるもの(歯科)
- 上あごの幅がせまい、横への成長が十分でない
- 舌の位置が低い(低位舌)
- 唇が閉じにくく、口が開いたままになりやすい
- 舌小帯(舌の裏のすじ)が短く、舌を動かしにくい
この2つは、どちらか一方とは限りません。両方が重なっていることも少なくないと考えられています。耳鼻咽喉科での診察と、歯科でのお口の育ちの確認は、どちらが正しいというものではなく、たがいに補い合う関係にあります。
歯科からみたいびき——上あごの育ちと舌の居場所
ここが、いびきの記事ではあまり書かれない部分です。かんたんにご説明します。
上あごは、じつは鼻の通り道の「床」であり、舌にとっての「天井」でもある骨です。そのため、上あごが十分に横へ育たないと、次のような流れが起こりやすくなると指摘されています。
- 上あごの幅がせまく、お口の中の空間が小さくなる
- 舌の居場所がせまくなり、舌が下のほうへ下がりやすくなる(低位舌)
- あお向けで眠るとき、下がった舌の付け根がのどのほうへ落ち込みやすくなる
- 空気の通り道(気道)がせまくなり、いびきにつながることがある
これは「必ずこうなる」というものではなく、あくまでそうした関係が指摘されているという段階のお話です。ただ、鼻とのどだけを見ていても説明がつきにくい場合があるのも事実です。
治療のあとに、いびきや口呼吸が残ることもあります
扁桃やアデノイドの手術を受けたあと、多くのお子さまはいびきが軽くなるとされています。その一方で、しばらくしてからいびきや口呼吸がまた気になってくる場合があることも知られています。
その理由のひとつとして考えられているのが、お口の習慣です。長いあいだ口で呼吸をしていると、口を開けたまま過ごす、舌が下がっている、といったくせが体にしみ込みます。鼻の通りがよくなっても、こうしたくせは自然には変わらないことがあるのです。
耳鼻咽喉科で「様子を見ましょう」と言われたけれど、いびきが気になったまま——というご相談は少なくありません。そうしたときこそ、あごとお口の育ちという別の切り口から見てみる価値があります。いびき・口呼吸・睡眠時無呼吸のページもあわせてご覧ください。
年齢別・いまご家庭でできること
年齢によって、できることは少しずつ変わります。むずかしいことは必要ありません。
- 1〜2歳ごろ:食べるときの姿勢を整え、足が床や足台につくようにします。少しずつ噛みごたえのある食材も取り入れてみましょう。
- 3〜4歳ごろ:日中に口が閉じているかを、そっと見てあげます。鼻がつまりやすいときは、耳鼻咽喉科でのご相談を。
- 5〜6歳ごろ:あごが育つ大切な時期です。よく噛む、よく遊ぶ、早めに眠る、を意識してみましょう。
- 小学生:口を閉じて鼻で呼吸する感覚を、遊びのなかで少しずつ練習していきます。歯の生えかわりや歯並びの変化も見えてくる時期です。
お口まわりの筋肉の使い方については、お口のトレーニング(MFT)で整えていく方法もあります。また、あごの育ちそのものに関わっていく場合は小児矯正(予防矯正)でのご相談になります。適応や進め方はお子さまによって異なりますので、まずはお口の状態を確認させてください。
耳鼻咽喉科と連携しながら、育ちを見守ります
当院では、鼻やのどの診察が必要と考えられる場合、耳鼻咽喉科と連携しながら進めています。連携先として、伊奈ENTクリニック(埼玉県伊奈町)や上尾中央総合病院 耳鼻咽喉科へのご相談をお願いしています。歯科だけで完結させるのではなく、必要な診察は専門の医療機関へおつなぎするのが基本の考え方です。
いびきのご相談は、年齢を問わず承っています。歯が生えそろう前のお子さまでも、お口の育ちや呼吸の様子を一緒に見ていくことはできます。「これくらいで相談してもいいのかな」とためらう必要はありません。
お子さまのいびきは、まず耳鼻咽喉科へ。そのうえで、あごとお口の育ちという視点もあわせて持っていただけたらと思います。鴻巣市のはぎわら歯科こども歯科クリニックでは、お子さま一人ひとりの成長に寄り添いながら、眠りと呼吸のことも含めてご相談を承っています。
よくあるご質問
子どものいびきは何科を受診すればいいですか?
まずは耳鼻咽喉科へのご相談をおすすめします。子どものいびきでは、扁桃やアデノイドの大きさ、鼻づまりなどが背景にあることが多いとされているためです。かかりつけの小児科で相談してから紹介していただく流れでも問題ありません。そのうえで、あごやお口の育ちが気になる場合は歯科でもご相談いただけます。
毎日ではなく時々いびきをかくだけでも相談していいですか?
もちろん大丈夫です。かぜをひいたときや疲れているときだけのいびきは、一時的なこともあります。一方で、口を開けて眠っている、日中も眠そうにしているなど、ほかの様子とあわせて気になるときは、一度みてもらうと安心です。心配な気持ちがあること自体が、十分な相談のきっかけになります。
扁桃腺の手術をすればいびきはなくなりますか?
手術後にいびきが軽くなるお子さまは多いとされていますが、経過には個人差があります。長く口呼吸が続いていた場合、口を開けたまま過ごす、舌が下がっているといったお口のくせが残り、いびきや口呼吸が気になり続けることもあると言われています。手術の適応や結果については主治医の先生にご確認いただき、お口の習慣が気になるときは歯科にもご相談ください。
何歳ごろから歯科に相談できますか?
年齢を問わずご相談いただけます。歯が生えそろう前でも、お口の育ちや呼吸、姿勢の様子を一緒に見ていくことはできます。気になるサインの整理にはお口の育ちセルフチェックもご活用ください。詳しい内容はいびき・睡眠時無呼吸のページでもご紹介しています。
本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の治療の効果や結果を保証するものではありません。症状やお口の状態には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断せず歯科医院にご相談ください。
お子さまのお口のこと、気軽にご相談ください
鴻巣市のはぎわら歯科こども歯科クリニックでは、小児歯科・予防矯正・口腔育成を通じて、お子さまの健やかな成長をサポートしています。まずはお口の状態をチェックしてみませんか。


